トヨタウェイを読んで技術系の頭の中を勉強してみる

仕事

 会社にいる実務と現実を知らない頭の良い技術系の方々の考えを勉強して、少しは彼らの思いでも考えてあげようかと思います。

 尊敬するY部長からいただいたトヨタウェイを読んで、思ったことを纏めたいと思います。

作者

  • ジェフリー・K・ライカー
  • ミシガン大学教授
  • 20年以上にわたりトヨタ生産方式を研究

トヨタ成功の要因

製造力が卓越している

  • 製造力、ジャストシステム、カイゼン、一個流し生産、自働化、平準化

多様な能力

  • リーダー/チーム育成、企業カルチャーの醸成、戦略の立案、部品メーカーとの関係構築、学習する組織の維持

トヨタウェイの概念 「四つのP」

  • 哲学 Philosophy
  • プロセス Process
  • パートナー People/Partners
  • 問題解決 Problem solving

トヨタ生産方式 リーン生産とは

4つのステップ

  • 顧客の価値を定義する
  • 価値の流れを定義する
  • 流れを作り出す
  • 卓越した製造をめざす

プルシステム

  • モノが付加価値プロセスの中を止まらずに流れる
  • 売れた分だけを前工程が作って補充することで最終顧客の需要が上流にどんどん遡っていく
  • 顧客から注文を受けてから現金を手にするまでの時間の流れを見ること
  • 付加価値を生まないムダを取り除くことで、その時間の流れを短縮
  • 生産リードタイムを縮めて生産ラインをフレキシブルブルにする努力を積み重ねれば、品質、顧客ニーズへの対応、生産性、設備稼働率、フロア使用効率がかえって良くなる

カルチャーに焦点を当てる

  • 従業員全員がいつも作業を改善する努力をする文化を醸成
  • カルチャーを理解していない人
    →システムの絶え間ない改善に参加しない、自らのスキル向上にも努めてない
  • システムに魂を入れるのは人
  • 従業員が一緒に働き、話し合い、問題を解決して、一緒に成長すること
  • カイゼンへの参加を強力にサポートし、さらには改善への参加を全員に要求する

人への依存度を下げるのではなく、上げるやり方

  • 在庫を減らし隠れた問題を見つけ解決するといった活動を作業者自身に依存する仕組み
  • 早く解決しないと在庫切れで生産が止まる
  • 作業者は緊迫感と目的意識を持つ
  • 現場の作業員全員が日常の問題解決と改善活動に参加している

十四原則

1,短期的な財務目標を犠牲にしても長期的な考え方で経営判断する

  • 自分自身の会社の歴史の中での役割を理解し、会社を次のレベルに高揚させるために努力する
  • 行動の出発点は顧客、社会と経済に対して付加価値を創造すること、会社のあらゆる機能をこの観点から見直す

2,淀みのない流れを作って、問題を表面化させる

  • 製品や情報が速く流れるように流れを作ると同時に、問題点がすぐに顕在化されるように、プロセスや人のあいだを緊密につなげる

3,プルシステムを利用して、作りすぎのムダを防ぐ

  • 顧客が必要とするものを、必要とするときに必要とする量だけ供給する
  • 消費された分だけ補充する
  • 仕掛かりと在庫を最小限にする
  • PC上の情報システムだけではなく日々の顧客の需要の変化に敏感に反応する

4,生産量を平準化する

  • 人や設備に対する過負荷を防止し、生産計画の時期による変動を取り除くことはムダ取りと重要だが理解されない

5,問題を解決するためにラインを止め、品質を最初から作りこむカルチャーを定着させる

  • 工場のサポート部門の中に問題を素早く解決し、改善施策を実行する機能を組み込む
  • 不良発生時には生産を止めたり遅らせたりする思想をカルチャーに組み込む

7,すべての問題を顕在化させるために目で見る管理を使う

  • シンプルで視覚に訴える表示方法を導入し清浄なのかどうかを一目でわかるようにする

9,仕事を理解し、思想を実行し、他人に教えるリーダーを育成する

  • よきリーダーは、日常の業務を詳細に理解していなければならない

10,会社の考え方に従う卓越した人とチームを育成する

  • 難しい技術的な問題解決のためには、昨日横断チームを組織化して、品質や生産性を改善し流れをよくする

11,パートナーや部品メーカーの社外ネットワークを尊重し、改善するのを助ける

  • トップや役員であっても現地現物を実践すべきで、表面的な理解以上を得る必要がある

13,意思決定はじっくりコンセンサスを得ながら、あらゆる懸念を十分に検討するが、実行は素早く行う

  • 完全に検討が終わるまでは、ある方向を選択して行動しない

14,執拗な反省と絶え間ない改善により学習する組織になる

  • 在庫を必要としないプロセスを設計する
  • すべての人が時間と資源の無駄に気付く
  • 重要な節目やプロジェクト終了後に反省をし、同じ間違いをしないように対策を立てる

まとめ

 顧客から生産上流に遡りながら、あらゆるムダを省くために改善をひたすら行うこと。それにより在庫仕掛が最適化され、品質も良くなるという考え方。
 
 人が異常に気付く仕組みを作り、人がカイゼンしなければ流れが止まる仕組みを徹底する。そのカイゼンする「人」を教える「教育者=リーダー」は当然ながら仕事を詳細に理解していないといけない。


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