ヒンドゥー教
成り立ち
- 紀元前1500年前、インダス文明が滅んだ時にアーリヤ人(イラン人)がその地を侵略
- アーリヤ人がバラモン教という宗教を生み出す
バラモン教
- 聖典 ヴェーダ
- 初期のバラモン教
「前期ヴェーダ時代」 単に自然を神として祀る自然崇拝
「後期ヴェーダ時代」ガンジス川へ移住し、そこで先住民の農耕民族と混血し、農耕民族から種からやがて芽が出て、の流れで輪廻転生の考えが宿る - 身分制の確立 ヴァルナ(色という意味) アーリヤ人は白かった(カースト制度の元)
バラモン 祭司として神に近い存在とされる
クシャトリヤ 貴族
ヴァイシャ 庶民
シュードラ 先住民の奴隷
ヴェルナ以下 不可触賤民
バラモン教教え
- 輪廻転生 人間の魂は生まれ変わり死に変わる
- カルマ 業を現世で積むことで来世が変わる
- 今頑張れば次の世で上の身分になれる、犯罪を犯し続ければいずれ動物になる
ウパニシャッド哲学
- 弟子にしか教えない奥義書
- アートマン 我 我々が考える魂と同じ
- ブラフマン 梵ぼん 宇宙全体の生命原理
- ブラフマンは宇宙、アートマンは魂
自分の中に魂があり宇宙がある。ということは自分は宇宙の一部と解釈 - 宇宙全体の生命原理と個人の魂は同じもの
- 人が死んだあとは魂は宇宙の根本原理に戻ると考える(解脱げだつ)
- 魂が宇宙に戻れずこの世に残ることを輪廻と考える
一神教との違い
- ユダヤやキリスト教の一神教と根本的に異なる
- ユダヤやキリストは神が宇宙を創成したと考えているため、宇宙と神は根本的に別と考える
- 神と宇宙を同一化することはない
- 欧米で自然科学が発達したのは「唯一絶対の神が定めた宇宙の法則を知りたい」という欲求
ヒンドゥー教への移行
- アーリヤ人同士の長い戦いにより身分制の勢力図が変わる
- 権力の移行:貴族→商人→祭司(バラモン)
- 信者からのお布施と寄進がないとバラモンは生きていけないため、大衆化しやすいように布教していく
教え
- 自分が課せられたダルマ(各身分の課せられた義務)に専念しろ、それが苦しいか楽か、損か得か、勝つか負けるかはどうでもいい
- 行為の結果を動機としてはいけない
- 前世の報い(良いカルマを積めば、来世でよりよい生活が待っている)と現世利益のみ
- 余談:敵を倒すために、原子爆弾を作ることは当然だ、といった思想にもつながる・・・
教典 バガヴァット・ギーター
マハーバーラタ:インド最高の歴史書(日本でいう古事記)の第六巻
ヒンドゥー教のエッセンスがすべて入っている
神について
- インドは多民族国家のため各地に土着の神々がいる
- 化身(様々な神に変身する)、結婚(一夫多妻)によって土着の神々と同期化
- 神々の物語がまとめられる(マハーバーラタ、ラーマーヤナ)
- ヒンドゥーの三位一体 (愛の神ヴィシュヌ、ブラフマー、嵐・破壊の神シヴァ)
- カンサという暴君を懲らしめるためにカンサ王の妹の子供として生まれる
- クリシュナ:ヴィシュヌの生まれ変わり
分身の術を使って1600人くらいの奥さんがいた - 急所は足の裏、不死の水は足の裏にかからなかったから
- ギリシアのアキレウスはアキレス腱
物語
- 貴族の生き方と世界の真理を説く
- アーリヤ人の中で一番力のあったバーラタ族が建国したクル国が舞台
クルは若くして王を亡くす - 山から汚い仙人、聖仙ヴァサーヤを呼び2人のお妃が相手する
- 一人は目をつむって耐えたら盲目の王子ドリターシュトラが生まれる
弟が出家の間に王になる、肉の塊を生んで100個に割って100人の王子を量産 - もう一人は青ざめながら産んだら蒼白の王子パーンドゥが生まれる
鹿と思って間違えて人を撃って呪いをかけられ、その後出家してしまう - 5人の王子が生まれ、その一人がアルジュナ、アルジュナにクリシュナが加担し親戚内の権力闘争を治める
まとめ
良いことを積み重ねれば来世でよい生活が待っている。
自分の損得ではなく課せられたことをやりなさい。ということですかね。
コメント